授業を成立させる4つの要素  

 

 生徒を寝させない授業をするためにはどうすればいいか。授業を成立させる4つの要素についてまとめてみた。

 

1.何のために教えるのかという哲学、教員としてのミッション

 授業をやるにあたって一番重要なのは、「何のためにこの科目を教えるのか」という教師としての「使命感」、すなわち「ミッション」・「哲学」ではないかと思っている。

 「なぜこの教科の教師になったのか」「生徒に何を教えたくて教師になったのか」という原点がしっかりしておれば、おのずから日ごろの教材研究にも力が入る。また、専門知識が深まれば、その多くを「ばっさり」と切り捨て、授業内容を精選することも可能となる。

 調べたことをみんなしゃべるような薄っぺらな授業では寝ている生徒を起こすことなどできない。汲めども汲めども尽きぬ知識の泉があって初めて、状況に応じた臨機応変の授業ができる。深い専門知識 とそれを精選する力が求められる。

 

2.伝えるための授業スキル

 先生がいくら「熱い思い」を持っていても、それを確実に生徒に伝える「授業スキル」がなければ授業は空回りを起こす。同じ落語ネタでも、師匠がやれば面白いのに、弟子がやるとまったく面白くないということはよくある。

 声の大きさ、発音、リズム、緩急、間の取り方、などに工夫を凝らしたい。教師は十分に準備された授業ノートという「台本」を演じる役者でもある。声量、発音、テンポ、緩急、間の取り方 のほか、迫力も重要である。

 

3.生徒をグリップする力

 およそ、教育活動というものが人間対人間のコミュニケーションであるとするならば、教育活動の成否は日ごろからどれだけ生徒との間に良好な人間関係を構築しているかに大きく依存する。

 したがって、あらゆる機会を通じて生徒との人間関係を作る努力が必要である。名前を覚える ことはもちろん、クラブ活動、学校行事、廊下での声かけなど、あらゆる機会を利用して生徒との人間関係を作る

 

4.生徒のやる気を引き出す力

 「啐啄同時」という言葉がある。いくら教師が一生懸命になっても、肝心の生徒にやる気がないのでは授業効果はあがらない。生徒のやる気をいかにして引き出すか。教師という仕事は生徒を伸ばしていくらの商売である。

 生徒をいかにしてやる気にさせるか。そのためには、夢を持たせる(動機づけ) 、ほめる、勉強方法を教える、点を取らせる、学問の面白さを伝える、自主性を引き出すなど、さまざまな工夫をする必要がある。

 

 以上、授業を成立させるための4つの要素について述べた。実は、こんな簡単なことに気がつくまでに25年もかかった。そしていまだにちゃんとできないでいる。

 特に、生徒の名前を覚えることが私は苦手である。理想を100とするならば、私の授業などまだまだ1か2程度だろう。今の自分に不足しているのは何か。常に問いかける姿勢を忘れないでいたい。

 

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